昼に娘一家と渦に伺ったのだが、実は夜にもスケジュールが。 芳実オーナーが試飲して欲しいワインが有ると仰るので、好きな方々と待ち合わせ。 小田急線が遅れて、18時を廻る頃に到着したが、直ぐに満席と為る。 土曜日は特に御客様の動向を「読めない」のだが、最近は何時も人気に「超」が付く。 そんな状態なので、白・赤の2本のボトルを摘みも頂かずに、取り敢えずのテイスティング。 「僕にも飲ませて下さいよ」と芳実オーナーが念を押す。 そうだよねぇ〜、放って置くと全部飲んじまう我々で有る、かも(笑)。
テイスティングしたのは、山梨はマルスワイナリーのボトルで、白はアルコール度が10%と云う甲州種。 とても淡い印象で、小生の様な「洗練された機微に亘る味わい」を解さない者には難しいタイプ。 特に白は得手として居ない所為も有ったろう。 確かなのは、グラスで提饗するのは難しいと云う事だろう。 日を跨いで楽しめるボトルではなさそうだ。
赤も同じワイナリーのボトル。 カベルネ・ソーヴィニヨンとマスカット・ベリーAの混醸だそうだが、如何にも酸味と云うカラーの先入観に小生は支配されて仕舞った。 ヘヴィな赤を好む小生としては、自分用としては手を出さないかな… でも、こう云うタイプを好まれる女性は少なくないかも知れない。 此方もグラス売りはシンドイかも知れない。
ワインのテイスティングを皆ですると、其々のキャラが出て興味深い。 シニアワインエキスパートのCさんは、先ず良い処に目を付けて、誉める処からスタート。 自らの好みを付け加えるのは最後と云う優しいプロフェッショナル。 良識派のHさんは、沈着に、的確にコアなパートに直球を投げ込む。 成程…と得心が行くコメントが多い。 小生は、と云えば、好みでなければ、意地悪心を丸出しにした毒舌を吐く。 もっと、自分を磨かなくてはねぇ〜と、変われる筈も無いが、少々の反省。
で、矢っ張り此だよねぇ〜と、セラーからエル・マセットを抜き出す。 マッタリ柔らかいタッチと明るいキャラの2010年は、慣れ親しんだ所為も有り、ホッとする味わいだ。 ウッド・ブリッジを抜いて、小生が一番飲んだボトルに為ったかなぁ。
続いて、もう1本の常備ボトルのサン・ビアッジョを抜栓。 此のボトルの中身は此迄のサン・ビアッジョとは異なる味わいとルックスだ。 ノンフィルターの様な燻みが有り、揮発性の香りを感じる。 熟成感では無く、喰用葡萄のジュースっぽいテイストだ。 ブショネとか劣化と云うのとは違うのかも知れないが、気に為ったので、ロックスオフに連絡。 店主の若林さんから、丁寧なメールを何度も頂戴した。 コメントの妥当な事は勿論、彼のスタンスに感服。 矢っ張り、成功する人は違うので有る。 此の夜は、すっかり啄木気分(「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ」)だ… 小生と来たら、忙しい芳実オーナーが「大変、御待たせ致しました。 何にしましょう?」と訊いて呉れた際にも、「何か摘み…」、困った奴なので有る。 そんな好い加減なリクエストに応えて呉れたディッシュの数々。