今日のワイン 其の527
2011-01-15


レ・ペルゴーレ・トルテ / モンテヴェルティーネ
2003 LE PERGOLE TORTE / MONTEVERTINE

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自由が丘のイタリアン、「カーサ ジャルディーノ」のワインリストに「レ・ペルゴーレ・トルテ」を見付けた。 ボトルを見せて頂くと、2003年。 あの暑かった年だ。 だが、このサンジョヴェーゼの異端、否、今や最も高名なボトルのひとつで有る「レ・ペルゴーレ・トルテ」は2002年は造られて居ないのだ。 仮令、良いヴィンテージと一般的には云われない年でも、造られたからには至高の1本に間違い無い。
リストランテのワインリストに掲載された「ペルゴーレ・トルテ」のプライスとしては、悪く無いが… 今は無き、都庁45階の「ラ・テラッツァ」で格安で提饗されて居た頃に、娘と何本空けただろうか。 サンジョヴェーゼと云えば、「レ・ペルゴーレ・トルテ」。 其れも、出来れば95年だ。

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以前は娘と二人で飲んだものだが、婿殿を交えて同じワインのグラスを傾けるのは、一興だ。 時の移ろいが、濃いが澄んだルビー色を湛えたグラスに浮かんでは消えて行く… デキャンタージュを御願いしたが、こいつのコルクは長いので、一寸苦労をされて居るのを見ると、ラ・テラッツアのシニアなバーテンダー氏を想い出す。 如何されて居らっしゃるだろう?

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しかし、何と云う馨しい、艶の有るブーケなのだろう。 香りは記憶に直結する一番の感覚なのだ… この豊かで穏やかで優しい力に満ちたブーケは、サンジョヴェーゼとは思えないエレガンスだ。 含まれるのは、ダークチェリーの熟成香と晩秋の落ち葉の甘い香りだ。 少しだけ沃度の様な不思議なニュアンスも… 其程分厚くは無いベルベットの舌触りの液体は、穏やかなタンニンに依って、更にセクシーなテイストに仕立てられる。 そして、熟成感の有る苺ジャムには、透明な酸が上手く絡む。 エレガンスを求めるのが難しい要素なのに、純粋で洗練された印象が生じるのは、流石だ。 そして、糸を長く引いて消えて行くアフターが、名残惜しさを助長する。 良い、否、とても好きなワインだ。
尚、2004年のエチケットは、97年に続いての日本人女性で、「ヨウコ」さんだとか。
[Wine]

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